僕が人生で一番最初に見たハードコアバンドは何か。
何を隠そう、岡山のPINPRICKSだ。
当時中学生だった僕とTILL EWINGのマサルはPEPPERLANDで彼らを見た。
99年の7月21日だ。はっきり覚えている。BOOCUSSを見にいったのだ。
Hi-STANDARDが驚異的な売上げを記録した[MAKING THE ROAD]を発表した1ヵ月後だ。
いわゆるメロコア全盛期とでもいうのだろうか?僕らはメロコアに夢中だった。
そんな中、1バンド目に登場したPINPRICKS。当時の僕らは「ワー!ギャー!」としか聞こえる耳しか持っておらず、理解なんて到底できなかった。
佐藤君が黒ブチメガネをかけて、「こんにちわー。PINPRICKSです。...ん?反応がないなぁ。今夜は衛星中継ですか?」なんて言っていたことを覚えている。
まぁ、今考えたら佐藤君らしいMCだなと思うのだが、当時は「どゆこと?」としか思えなかった(笑)。
その後、僕らはハードコアにのめり込み、彼らと対バンをする関係になっていった。
僕らがハードコアに興味を持つキッカケになった佐藤君。
彼のバンドは解散してしまい、ステージに立つ機会になかなか恵まれない状況が続いていた。
そんな中、彼の愛するハードコアをもっと理解してほしいという思いから開催されたイベント「TOPPYOUSHI mo NIGHT」に土曜に開催されたので足を運んだ。
バンダナ着用者はチケット代200円引きということでもちろんバンダナをしていった。
ママ1で開催されたこのイベントだが、ロビーの所にはスケートビデオや、USハードコアのバンドの映像が流され、ライブ会場の入り口にはUSハードコアのバンドの解説文が掲載されていた。
佐藤君のハードコアへの愛から生まれるものだと思う。
なにをキッカケにどんな音楽にのめり込むかなんてわからないし、のめり込んだとしても離れる人だってもちろんいる。
今僕にとって一番刺激を与えてくれる先輩が言っていた。
「好きな事をやり続けるのだって、大変なんで!」
果敢な20代を終え、30代に突入したオトコの口から出たその言葉は僕にすごく重くのしかかった。
今、置かれた環境に対して僕はとても裕福だと感じている。
テストだってないし、勉強もしなくていい。バイトにいかなくて良いし、お金もないわけではない。
刺激を与えてくれる友達だって、怒ってくれる友達だって、一緒にめちゃくちゃ笑える友達ももちろんいる。
もちろん先輩・後輩も。
そして、好きな音楽に没頭できる時間がある。
しかし、この先どのような状況になるかなんてわからない。
結婚するかもしれない。子供だってできるだろう。
自分の行動に制限ができてくるだろう。
自分がどんな生活を送るかなんてわからない。
ただ、単純に続ける事なんてできないだろうと思っているし、思った以上に続けるのは難しい!ってなるのだとも思う。
「結婚したからってバンド辞めるのどうなん?」
なんて簡単に言えない。
「30歳を超えたからそろそろ落ち着かなきゃ!なんて言いたくない!」
なんて思っていても30代になったらどうなるかなんてわからない。
たとえばそう、高校生が中学生に「中学の時はあそんどけ!」っていっても到底中学生にはその気持ちはわからない。
そんな感じだろう。
ただ、お先真っ暗なんて今から言うのは違うと思う。
確かにどうなるかもわからないし、制限されてくるし、将来に対して不安もでてくるだろう。だろう。
今の環境を保ちたい。誰一人、音楽を辞めて欲しくない。
制限された中でも音楽をみんなと続けたい。
その為になにが出来るか。まだまだ、答えなんて見つかるはずはないが、とにかく今を楽しまないと始まらない。
そして、自分の愛する音楽を続けて自分の人生の糧にして、みんなが生きていけば30代になっても誰一人いなくならずに、みんな老けて笑いながら昔話だってできるはず。
自分なりの30代に成りたいと強く思った夜でした。
佐藤君、お疲れ様!これからも楽しみににしてます!!!
「佐藤君の部屋に遊びに行った気分になれる、突拍子もナイト。」
これ、キャッチフレーズにならんかんな?
オギ
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